10:30 PM(2007年2月のアーカイブ)
「あれから、もう一年か・・・。」
店内を忙しなく動く影を視界の端に捉えながら、私は呟いた。
小さく溜息を吐き、手元にある資料に目を落とす。
「ココイチの原点です!グランド・マザー・カレー」
そう。あれは去年の冬。
たまたま行ったココイチで食べたグランド・マザー・カレー。
そして奇しくも手に入れた、二本のスプーン。
あの頃から、私のカレー好きは変わっていない。
日本が印度になればいいと願った幼少時代。
あれから変わらず、私はこの一年間もカレーを愛し続けた。
そんな私に四季は巡り、またこの季節がやって来たのだ。
去年と同じグランド・マザー・カレーを豚トロトッピングで注文する。
去年と同じ様に、店員は抽選の箱を持って来る。
そう、今年もスプーンが当たるのだ。
つまらぬ幸運はやって来る筈もなく、「残念 ハズレです」と書かれた紙を手元に置き、カレーが運ばれて来るのを待つ私。
どうやら、去年まで持ち合わせていた幸せの欠片はどこかへ置き忘れて来てしまったようだ。
やがて私の元にグランド・マザー・カレーが運ばれて来る。
ルーを白米にまぶし、一口目をジャガイモと共に口に運ぶ。
熱い。
熱いのだ。
尋常ではない熱さだ。
手荒い歓迎である。
心とは裏腹に慌てた素振りは見せず、コップの水を一口飲む。
さりげない笑顔をこぼしながら、緩んだ涙腺が視界を滲ませる。
やがて完食し会計を済ませた私は早々に店を後にする。
「ありがとう、また来るよ。」
そう呟く口の中には、水ぶくれが出来ていた。
アメリカだったら、訴訟されてもおかしくないな・・・。
そう考えながら、私の夜は益々更けて行くばかりなのであった。
(第43回 全日本カレー協同組合連合会主催「カレーと私」作文大会優秀賞受賞作品)
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ウソ
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Endy

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